みなさま、ごきげんよう。
ポケモンSVでLv1同士のポケモンを戦わせる試み、通称Lv1ルールの普及を目論んでいるナナホシです。
これまで私は、Lv1同士のポケモンだとステータスに偏りがないため、何らかの方法でステータスに補正を掛けるのが強い、みたいな話を散々してきましたね。
特に前回はLv1ルールにおける「すばやさ」の考察をいたしました。
素早さも大事だけれど、何はともあれ相手のHPをゼロにするのがポケモンバトルです。
Lv50戦じゃ「○○(ポケモン名)を確定1発」とか「○○(ポケモン名)の□□(技名)確定耐え」なんていうダメージ調整の話はよく聞きますね。
こういったダメージ感覚を、Lv1ルールではどのように捉えれば良いのでしょうか。
それを今回は解説していきたいと思います。
- Lv1ポケモンのステータスおさらい
- HP12-B6(D6)へのダメージ量
- 数値が1上がるとどうなるか:A(C)7の場合
- ダメージ計算から見るLv1ルールの攻略法
- Lv1ルールの最大火力指数例
- おまけ:最大耐久指数
- まとめ:HP12-B(D)6をどう突破するか
Lv1ポケモンのステータスおさらい
拙作で恐縮ですが、私が主催するLv1進化前限定仲間大会【リトルスターカップ】の要綱及び参加可能ポケモンを御覧ください。
Lv1ポケモンはステータスが低く、Lv50戦のように種族値で語るにはあまりにも偏差がありません。
Lv1ポケモンのダメージ感覚を養うには、ステータス実数値を意識することが大切です。
上記の参加可能ポケモン一覧を見てもらえれば分かると思いますが……
Lv1ポケモンのステータスの多くは、HP実数値12、その他6という値です。
H12-A6-B6-C6-D6-S6
これがLv1ポケモンの平均的なステータスと言えます。
例えば上記仲間大会のような、レギュレーションを「進化前」に限定しているルールですと、参加可能ポケモンは本日時点で全209匹となります。
このうちH12-A6-B6-C6-D6-S6、つまり合計ステータス実数値42を有するポケモンは94匹で、参加可能ポケモンのほぼ半数を占めます。
また、合計ステータス実数値42未満ですと85匹います。
合計ステータス実数値43を超える、いわゆる「平均を超える」強さを有するポケモンは残り30匹となります。
つまり約7割以上のポケモンの火力指数はA6またはC6、耐久指数はHP12-B6-D6のラインとなります。
Lv1ルールでは、最低でも相手のポケモンのHP12-B6-D6という耐久指数を確定2~3発程度で倒せる強さが求められます。
欲を言えば確1で倒したいものですが、火力の低いLv1ルールで確1を求めるには超えなければいけないハードルが高すぎます。
HP12-B6(D6)へのダメージ量
前述の通りほとんどのポケモンの耐久値がHP12-B(D)6なので、Lv50戦と違って仮想敵を考える必要はあまりありません。
仮想敵というより仮想値とでも呼びましょうか。
例えばグルトン、彼(彼女)はHP12-A6-B6-C6-D6-S6という平均的な仮想値を有しています。
攻撃側がA(C)6、防御側がHP12-B(D)6だったときのダメージ量を見てみましょう。
※道具や特性、ランクによるダメージ補正が無い場合
- 威力60:ダメージ3
- タイプ一致威力60:ダメージ4
- タイプ一致威力80:ダメージ6
- タイプ一致威力120:ダメージ7
なおダメージ量の最大乱数値が1桁(9以下)だった場合、それぞれのダメージは必ず15/16(約94%)の確率で1~2低いダメージを出すことになります。
なぜなら乱数計算処理は小数点以下切り捨てとなるため、最大乱数である1.00倍でしか最高ダメージを出せない仕様となっているからです。
そのあたりはこちらでも詳しく解説しています。
ですので、例えば上記の場合でタイプ一致すてみタックルを打ったとしても、最高乱数の9ダメージを出せるのは1/16(約6%)しかなく、残り15/16は全て7ダメージしか出せません。
また、この場合は計算式の関係で8ダメージを出すことはできませんので、相手に与えるダメージは7(約94%)か9(約6%)のみとなります。
以上のことをまとめると、こうなります。
A(C)6のポケモンが、HP12-B(D)6のポケモンを確定2発で倒せるラインは、タイプ一致技で威力80以上
A(C)6からHP12-B(D)6への確2ライン
- タイプ不一致なら威力150以上
- タイプ一致なら威力80以上
- 道具1.2倍(プレート等)かつタイプ一致で威力70以上
- タイプ一致+テラスタイプ一致なら大抵の技は確2可能
A(C)6からHP12-B(D)6への確1ライン
- 道具やタイプ一致等の補正なしで確1は不可
- タイプ一致+テラスタイプ一致なら威力150以上
- 道具1.3倍(いのちのたま)かつタイプ一致なら威力150以上
- 道具1.5倍(こだわり)かつタイプ一致なら威力140以上
このように、道具だけ、あるいはテラスタルタイプ一致だけの場合、Lv1ルールでの平均的なポケモンを確定1発で倒すには破壊光線クラスの技を打つ必要があります。
相手を確1で倒すのは極めて困難です。
数値が1上がるとどうなるか:A(C)7の場合
では攻撃側のA(C)が7だった場合、ダメージはどう変化するでしょうか。
実数値7、すなわち種族値85以上を有し、個体値が最大の状態です。
ここから先はダメージ計算アプリの計算結果のみ掲載します。
A(C)7からHP12-B(D)6への確2ライン
- タイプ不一致なら威力130以上
- タイプ一致なら威力70以上
- 道具1.2倍(プレート等)かつタイプ一致で威力60以上
A(C)7からHP12-B(D)6への確1ライン
- 道具やタイプ一致等の補正なしで確1は不可
- タイプ+テラスタイプ一致なら威力130以上
- 道具1.3倍(いのちのたま)かつタイプ一致なら威力130以上
- 道具1.5倍(こだわり)かつタイプ一致なら威力120以上
ステータス実数値が1上がることで、確1ラインに必要な技の威力は少しだけ下がりました。
しかしながらA(C)7であっても、道具やタイプ一致等の補正なしで確1をとるのは不可という試算でした。
ダメージ計算から見るLv1ルールの攻略法
これまでの試算から、次のように考察をまとめました。
- Lv1ルールでは、確1となる火力を出すのが難しく、確2以上を狙うか積み技を使うなどといった手数が増えがち
- 天候、特性、道具などあらゆる補正を使えば確1へのハードルは下がる
両者が言いたいことは、どちらも入念な準備が必要、ということです。
そして、Lv1ルールでは特に積み技によるランク補正が強いと言われるゆえんでもあります。
Lv50戦よりも「自分のしたいことを通し切る」「相手のしたいことを阻止する」という考え方が色濃く現れるバトルになるかもしれませんね。
Lv1ルールの最大火力指数例
あくまでも私が主催する仲間大会での参加可能ポケモンに限定します。
ここでの火力指数(例)は、相手のステータスがHP12-B(D)6のポケモンに与えるダメージ量とします。
またタイプ相性は等倍とし、持ち物は無視します。
- 19~24:A7コマタナ(負けん気)+特性でA2段階↑+鬱憤晴らし(150)
- 16~21:A6アローライシツブテ(エレキスキン)+大爆発(250)
- 16~21:A6アサナン(ヨガパワー)+HP1で起死回生(150)
- 16~20:A7しろすじバスラオ(適応力)+雨+ウェブタ(120)
- 16~19:C6ヒトカゲ(サンパワー)+晴れ+オバヒ(130)
- 16~19:A6ヤングース(張り込み)+交換相手にとっておき(140)
- 12~16:C6イーブイ(適応力)+破壊光線(150)
- 12~15:C7コイル(アナライズ)+後攻で徹底光線(140)
- 10~15:A6シェルダー(スキルリンク)+氷柱針(25)×5回
持ち物やランク補正に頼らず(コマタナを除く)高火力を出せるのはこのあたりでしょうか。
もちろん他にも天候などの条件次第では、持ち物やランク補正に頼らずとも確1ラインの火力を出せる組み合わせは存在します。
あるいは弱点を突けば、もしくは剣の舞や悪巧み等を積めれば、もっと楽に火力アップを狙えるはずです。
おまけ:最大耐久指数
雪+氷テラスタル+進化の奇石+状態異常により不思議な鱗を発動したミニリュウ(HP12-B6)であれば、コマタナのA2段階上昇の鬱憤晴らしも7ダメージ程度に抑えられ、なんと弱点であるアサナンのインファイトも94%の確率で耐えることができます。
まぁそんな状況を作るのは至難の業ですが……
まとめ:HP12-B(D)6をどう突破するか
Lv1ルールのダメージ感覚はLv50の時と全く異なります。
ダメージ計算を調整する場合は、まずHP12-B(D)6というラインを意識すると良いでしょう。
もちろんHP13やB(D)7のポケモンも存在しますが、平均以上のステータスを持つポケモンは限られるので、個別に対策を考えるほうが早いですね。
また、技だけで確1を狙わなくとも、ステルスロックを使ったり、積み技でランクを上昇させたりと、戦略は多岐に渡ります。
どうぞLv1のかわいいポケモンちゃんをふんだんに活躍させる方法を、思う存分ご検討いただければ幸いです。