みなさま、ごきげんよう。
Lv1進化前限定仲間大会【リトルスターカップ】の主催をしておりますナナホシと申します。
ポケモンバトルと言えば公式・非公式ともにLv50のポケモンで戦うのが当たり前かと存じます。
今回Lv1ルールを採用したポケモンバトルにおいて、Lv50のポケモンと違ってどう育成すれば良いのか、何を準備すれば良いのかについて解説していきます。
R6/10/4追記
ポケモンSV レギュHの環境に合わせた最新のLv1環境についての解説を書き起こしました。
こちらも併せてご覧いただけますと、Lv1ルールへの理解がより深まると思います。
- Lv1ルールについて
- Lv1ポケモン育成の長所・短所
- 【長所①】個体値はV(最大)じゃなくても良い
- 【長所②】性格を深く考える必要がない
- 【長所③】飴を使わずに済む(レベル技を遺伝しない場合)
- 【長所④】適当な孵化余りですぐ対戦できることもある
- 【長所⑤】進化前のポケモンが主流なので可愛いし新鮮
- 【短所①】場合によっては飴を多く使うことがある
- 【短所②】場合によっては孵化作業が長くなる
- 【短所③】進化後でしか覚えない技は覚えさせられない
- 【短所④】努力値の振り方がLv50の時とは異なる
- 【短所⑤】他のルールの大会で流用しづらい
- 【まとめ】仕様は特殊だが新鮮さが醍醐味
Lv1ルールについて
まず簡単にLv1ルールについて触れたいと思います。
上記サイトは、ポケモンUSUMのスペシャルレート シーズン17において公式から開催された、Lv1ポケモンのみ使用可能なシングルバトルについて書かれています。
タイトルは英語ですが、中には日本語も併記していますのでご安心ください。
この公式ルールでは、2つの禁止事項が設けられました。
1つ目は言わずもがなですが、2つ目について「ソニックブーム」は相手へ20の固定ダメージを、「りゅうのいかり」は相手へ40の固定ダメージを与える技です。
ポケモンSVには無い技なので、知らない人もいらっしゃるかと思います。
それ以外の制限は特にありませんでしたので、もちろん好きな道具を使っても良いですし、好きに努力値を振っても構いません。
これが2019年のことでしたので、この記事を投稿した日から数えると、実に4年前。
最後に公式からLv1ルールが開催されて以来、実に4年も音沙汰がありません。
それ以降はもっぱらLv50で戦うポケモンバトルが当たり前でしたから、多くの人はLv1で戦うポケモンバトルを知りません。
それでは一体、Lv1ルールとはどのようなポケモンバトルなのでしょうか。
Lv1ポケモン育成の長所・短所
Lv50のポケモンと比較した場合のLv1ポケモンの育成について、長所と短所を簡単に述べますと次のようになります。
※個体値や努力値、HABCDS等といった非公式の用語を使っております。
長所
短所
- 場合によっては飴を多く使うことがある
- 場合によっては孵化作業が長くなる
- 進化後でしか覚えない技は覚えさせられない
- 努力値の振り方がLv50の時とは異なる
- 他のルールの大会で流用しづらい
それぞれ個別に解説させていただきます。
※Lv1ルールについて解説している有識者の記事を紹介いたします。併せて御覧ください。
【長所①】個体値はV(最大)じゃなくても良い
ポケモンバトルと言えば、ポケモンのステータスでランダムに割り当てられる0~31の数値のうち、Vと呼ばれる最大値(31)を目指して育成しますよね。
ポケモンSVでは、最後のストーリー「ザ・ホームウェイ」をクリアしたあとポケモンセンターで回復した時、ジャッジ機能と呼ばれるものが開放され、ポケモンの個体値を簡易的に調べることができます。
当然、Lv50戦なら全ての値をVにするのが理想ですが、Lv1の場合はあえてV個体を用意する必要がないんですね。
一体それはどういうことでしょうか……?
あるポケモンのLv1時ステータスを見比べてみましょう。
上は何も厳選していないので、個体値のジャッジがバラバラです。
このように、個体値が最大とそうでないポケモンとでも、Lv1ならステータス実数値に差がない場合があるんです。
ご覧の通り、Lv1時のステータスは当たり前ですが低値であり、
- HPのステータスは大体11~13
- その他の値は大体5~7
となっていますから、Lv50時と比べてステータスの偏りがほとんど無いんですよね。
そもそも個体値というのは0~31の差がありますが、あれはLv100時の時に最大で0~31の数値差があることを表しています。
Lv50ではその半分、つまり0~15の数値差となります。
Lvが低ければ低いほど個体値の数値差は反映されにくくなります。
そしてLv1では、個体値に0~31のバラつきがあっても、ステータス実数値は1しか変わりません。
それどころか、個体値が0の時と31の時とでも、ステータスが変わらないポケモンもいるのです。
だからLv1ルールにおいては、理想個体値を突き詰める必要がなく、個体値が0の時と31の時とでステータスが1変わる箇所だけ気にかければ良いんです。
Lv1時の種族値とステータス実数値の関係は、次のようになります。
種族値 | 1-34 | 35-49 | 50-84 | 85-99 | 100-134 | 135-149 | 150-184 |
H実数値 | 11 | 11-12 | 12 | 12-13 | 13 | 13-14 | 14 |
他実数値 | 5 | 5-6 | 6 | 6-7 | 7 | 7-8 | 8 |
この表の中で「実数値」に差がある箇所が、個体値を厳選する必要がある箇所です。
黒字の部分、例えば種族値が35未満の箇所や、種族値が50~84の箇所などは、個体値が0でもV(31)でもステータス実数値が同じとなります。
種族値が35未満の場合は、どのような個体値であってもHP実数値は11、その他のステータス実数値は5にしかなりません。
上の表さえ意識すれば、ステータス計算ツールなんかも使わなくて済みますので、Lv50時と比べてだいぶ分かりやすいステータス表記になるかと思います。
特にLv1状態の個体値を計算するには、一度飴を使ってレベルを上げないといけないため、やや面倒くさいですからね……
まとめると以下のようになります。
■Lv1ルールで個体値厳選する必要があるステータス
種族値が35~49(5~6)、85~99(6~7)、135~149(7~8)の箇所
■Lv1ルールで個体値厳選する必要がないステータス
種族値が35未満(5)、50~84(6)、100~134(7)の箇所
※括弧内はHP以外のステータス実数値を表します。
【長所②】性格を深く考える必要がない
ポケモンの性格によって、ステータス実数値の上昇・下降補正があることはご存知かと思います。
具体的には、性格によってそれぞれステータスに1.1倍、0.9倍の補正をかけて、それぞれ戦略に合わせた性格厳選をされますよね。
この性格厳選が、Lv1の場合はほとんど必要なくなるのです。
一体それはどういうことでしょうか……?
今回も、あるポケモンのLv1時ステータスを見比べて確認しましょう。
あるコイルを、性格だけミントで変更しました。
左が性格まじめ(無補正)、右が性格れいせい(特攻1.1倍、素早さ0.9倍)です。
素早さは確かに1下がっていますが、肝心の特攻数値に上昇はありませんね。
Lv50なら特攻のステータスが上昇するはずですが……。
ポケモンのステータス計算は全て、小数点以下切り捨てで行われます。
これは性格補正に限らず、バトル中のランク補正の計算でも同じです。
実数値6の場合だと、このような計算式になります。
特攻6 × 1.1倍 = 6.6 ≒ 6(端数切り捨て)
素早6 × 0.9倍 = 5.4 ≒ 5(端数切り捨て)
この式からも分かるように、Lv1では性格の上昇補正がステータスに反映されない仕様となっています。
よってLv1ルールでは性格を深く考える必要はありませんから、まじめミントを買い込んで全員真面目になるよう洗脳しましょう。
ただし次のような場合には、Lv1ルールであえて下降補正の性格を利用することもあります。
【長所③】飴を使わずに済む(レベル技を遺伝しない場合)
通常のポケモンバトルは毎回Lv50まで上げないといけず、経験飴や不思議な飴を使い込むことも多々あるでしょう。
その点Lv1ルールでは、使用するポケモンがLv1なわけですから、卵を孵化させて即バトルができるわけですね。
飴を使わずに済むというのは育成の負担や手間を大きく下げられる要因と思っていますので、これはメリットかなと。
ただしレベル技を遺伝しない場合に限ります。
『レベル技』という呼称は公式用語ではありませんが、一般的には『レベルアップでのみ覚えることができる技』とされています。
レベル技は、孵化させたいポケモンの両親♂♀が同じ技を覚えていれば、Lv1のポケモンにも遺伝させることができます。
※両親は同じタマゴグループであれば別個体でも可
普段のLv50戦では意識することはないでしょうが、Lv1ルールではこの『レベル技の遺伝』が重要な育成要素となります。
しかしながらレベル技を遺伝する場合、飴を多く使うことがあり、孵化作業も長くなるデメリットがあります……。
その点は後述の【短所】で解説しますね。
【長所④】適当な孵化余りですぐ対戦できることもある
これまでの話をまとめると、次のようになります。
- 個体値を厳選する必要がない場合がある
- 性格は全員無補正が最適
- 飴を使わずに済む場合がある
つまり、Lv50戦での理想個体を孵化させる作業の片手間で出た、適当な孵化余りポケモンでも、Lv1ルールならすぐに実践で役立てることも可能です。
もしかしたら個体値がイマイチの子でも、Lv1時のステータス実数値が理想個体になる子がいるかもしれません。
性格は一切気にしなくていいので、ショップでまじめミントを買うだけで済みます。
レベル技を遺伝させる必要がない性別不明のポケモンや、♂のみ・♀のみしか存在しないポケモンなら、あとは技マシンの調整だけで済みます。
これなら育成にかける時間や手間をぐっと省略することができますね。
【長所⑤】進化前のポケモンが主流なので可愛いし新鮮
通常(?)のLv1ルールでは、進化の石で進化する進化後Lv1ポケモンや、進化先のない未進化Lv1ポケモンも使用可能ではありますが……。
こと私が主催する仲間大会『リトルスターカップ』では、使用可能ポケモンを進化前(道具『しんかのきせき』が適応されるポケモン)に限定しています。
進化後より進化前のほうが好き・推しているという方も少なくないようですので、ここは進化前ポケモンを活躍させられる絶好の機会です。
小さいポケモンがテラスタルしたり、相手を倒せたりすると、思わず顔がほころんでしまうぐらい愛でたくなる気分になるかもしれません。
【短所①】場合によっては飴を多く使うことがある
さて、良いこともあれば悪いことも表裏一体なのが世の常というもの。
当然、Lv1ルールでしか起こりえない短所も存在します。
長所③の『レベル技』でも軽く触れましたが、レベル技を遺伝させるためには『親が2匹とも同じ技を覚えている』必要があります。
つまりレベル技を覚えさせたい場合はメタモンを使った孵化ができません。
ランクバトルで理想個体を育成するトレーナーの多くは、4V以上のメタモンを使って孵化厳選しているかと思います。
ですがレベル技を覚えさせたい場合は♂と♀それぞれの親個体が同じレベル技を覚えていなければいけません。
となれば、まず♂と♀それぞれの親個体をレベルアップし、遺伝させたいレベル技を覚えさせておく必要があるため、先に親個体2匹分の育成が必要です。
このポケモンに『ハサミギロチン』を覚えさせた状態で、Lv1ルールに参加させたいとします。
コマタナは『ハサミギロチン』をLv65で覚えさせることができますが、他の方法では覚えないためレベル技の遺伝が必要です。
そうなればハサミギロチンを覚えたLv65の♂コマタナと、ハサミギロチンを覚えたLv65の♀コマタナの2匹がそれぞれ必要になります。
通常のランクバトルならコマタナ……もといドドゲザン1匹をLv65にするだけで良いのに、Lv1ルールではレベル技を遺伝させたいがためにLv65のコマタナを2匹分育成しないといけませんから、単純に倍近くの飴を消費することになります。
表向きは『Lv1だから育成の手間が少ないよっ!』と言っておきながら、Lv1対戦をガチで極めようとするのならLv50戦より飴の使用量が増える可能性があることを、覚えておかなければいけません。
また♂か♀しかいないポケモンや、性別不明のポケモンは、レベルアップで覚える技をLv1ルールで使うことができない点にも注意が必要です。
【短所②】場合によっては孵化作業が長くなる
レベル技を遺伝したいポケモンの親個体をようやく2匹そろえたところで、次の問題が発生します。
長所①で『個体値はV(最大)じゃなくても良い』と述べましたが、当然『個体値が最大じゃないといけない場合もある』とも言えます。
例えばカリキリという進化前ポケモンは、防御、特防、素早さの種族値が35のポケモンです。
種族値35をLv1ルールで用いる場合、その箇所の個体値は30(すばらしい)か31(さいこう)ならステータス実数値が6になるものの、個体値が30未満ならステータス実数値は5になってしまいます。
個体値Vのポケモンはレイドバトル等で用意することもできますが、あえて個体値30のポケモンを見つけるのは苦労されるでしょうから、使うならやはりV個体のポケモンでしょう。
となればカリキリの場合は最低でも防御、特防、素早さの個体値がVである必要がありますから、ここで孵化厳選が強いられることになります。
個体値をすぐ最大化することができる王冠というアイテムもありますが、これはLv50以上のポケモンにしか使うことができません。
Lv1ポケモンに王冠は使えませんので、孵化作業のみで理想個体を用意する必要があります。
ですから孵化作業が長くなってしまう場合があることも理解しなければいけません。
【短所③】進化後でしか覚えない技は覚えさせられない
Lv1ポケモンはほとんどが未進化の状態で戦うことになるため、進化後でしか覚えない技は覚えさせることができません。
例えば次のようなポケモンと技の組み合わせです。
- マスカーニャしか覚えられないトリックフラワー
- ラウドボーンしか覚えられないフレアソング
- ウェーニバルしか覚えられないアクアステップ
このような技は進化前のポケモンが覚えることができないため、Lv1ルールでは採用できません。
『進化後でしか覚えない技』というのは意外と多いため、通常のランクバトルと同じような考えでポケモンを育成する前に、進化前の技リストを確認する必要があるでしょう。
【短所④】努力値の振り方がLv50の時とは異なる
この仕様があまりにもややこしすぎるため、私が主催するLv1ルールの大会では努力値振りを禁止とさせていただきました。
この点についてもすでに有識者が解説していますので、よければこちらをご覧ください。
上記の記事の要点は次の通りです。
この2点を把握しておかなければLv1ルールで努力値を振るのは難しいですし、理解できたとしても『どこにどれだけ努力値を振るか』を考えるのは大変な労力かと思います。
私はこの仕様が、Lv1ルールを敬遠させる要因の一つではないかと思っています。
ですが前回の大会後アンケートで、努力値を振っても良いのではという意見も数件見られました。
上記仕様にご理解いただける方が多くなれば、努力値振りアリのLv1ルールも検討したいと思います。
その場合は『Lv1の時に、どのポケモンのどの箇所にどれだけ努力値を振ればステータスが上昇するか』が計算できるスプレッドシートでも作りましょうかね。
→追記 作りました!
【短所⑤】他のルールの大会で流用しづらい
世の中のポケモンバトルは9割9分9厘がLv50同士の戦いになっています。
全仲間大会のうち、Lv1ルールを採用している方など1%にも満たないでしょう。
Lv50のポケモンを1匹育成すれば、その他99.9%の大会でも同様の個体を流用することができ、育成の手間が省けます。
しかしLv1ルールで育成したポケモンはLv1ルールでしか流用することができないため、残り99.9%の仲間大会に持っていくことはできないんですよね。
公式がまたLv1ルールを採用していただければ話は別ですが、たかがいち個人が開く大会の、それもあまりに特殊過ぎるLv1ルールという環境は、こういった理由から参加希望者も足踏みしてしまうような敷居の高いルールだったのです。
私のフォロワーさんにも仲間大会主催者は数多くいますが、その中でLv1ルールを採用している方は私以外に1人しかいないんじゃないでしょうか。
その方はオメガルビー・アルファサファイア時代からLv1ルールを採用しておられる超老舗の主催者なのですが……。
最近はあまりお姿を見かけないので、もしかするとポケモンSVでLv1ルールの仲間大会を主催している人は私一人かもしれませんね。
他にいらっしゃったらお声掛けください、ぜひお友達になりましょう。
【まとめ】仕様は特殊だが新鮮さが醍醐味
結果、Lv1ポケモンの育成が楽なのかどうかと言われると、恐らく楽ではないと思います。
確かに負担が減る作業はいくつもありますが、その代わりにLv50戦では考える必要のない多くのことに配慮しなければいけないのも事実です。
だからこそ私はこのLv1ルールの大会の告知を、開催一ヶ月前にしています。
実際、一ヶ月ぐらい先じゃないといけないぐらい、何も知らない人がゼロからLv1ルールの構築を考えるのって難しいんですよね……。
ですがそれでも私は、そんなLv1ルールでぜひ遊んでほしいと思っております。
知っておくべきことが多く、これまでのポケモンバトルとは全く違うセンスが求められますが……
やはり普段のランクバトルで見かけないポケモンが活躍できるのは、Lv1ルールの最大の特徴と思っております。
興味があればいつでもフレンド対戦を受け付けています、どうぞよろしくお願いいたします。