ナナホシの考察

ポケモンの考察置き場です。あとLv1ルールの仲間大会を開催しています。

【Lv1ルール】威力200のじたばたが使えない!? Lv1にまつわるHPの奇妙な話とLv1用定数ダメージ表【ポケモンSV】

みなさま、ごきげんよう

ポケモンSVでLv1同士のポケモンを戦わせる試み、通称Lv1ルールの普及を目論んでいるナナホシです。

最近𝕏でこのような投稿をしました。

 

 

じたばたきしかいせいと言えば、自分の残りHPによて最大威力200を叩き出す高火力技です。

実はこのクイズ「Lv1のポケモンがじたばたやきしかいせいを使ったとき、得られる最大の威力」の答えは、なんと200ではなく150なんです。

 

え……? 残りHPが1なら絶対に威力200になるんじゃないの……?

 

Lv50と比べて、Lv1同士だとステータスの偏りがないのが特徴のこのルール。

HP実数値が11~14ほどしかない世界では、Lv50のポケモンと同じ考え方だと罠にハマるおそれがあります。

 

今日はLv1ルールにまつわるHPの奇妙な話を紹介しましょう。

 

なお手前味噌ですがLv1ルールの仲間大会を開催しております。どなたでもお気軽にご参加ください。

nanahoshi1.hateblo.jp

 

Lv1ルールにおけるポケモンの育成や準備を解説した記事はこちらです。

nanahoshi1.hateblo.jp

 

Lv1用 定数ダメージ表

HPにまつわる話と言えば、まず気になるのが定数ダメージのこと。

例えばLv1のポケモンステルスロックを使えばどれだけ削れるか、みがわりを使えばどうなるか……

Lv50のポケモンバトルでは「最大HPの1/8」や「最大HPの1/4」という覚え方をしますが、Lv1ルールではHP実数値が11~14ほどしかありませんので、割合よりも実際に受けるダメージを覚えたほうが伝わりやすいです。

もちろん、Lv50時における「16n-1」や「4n」等を意識する調整とは、考え方が全く異なります。

 

というわけで、HP1のポケモンが受ける定数ダメージを表にしてみました

Lv1ルールでの対戦に、大いに役立てれば幸いです。

 

定数ダメージ消費量

注:Lv1で覚えず遺伝もできない技は除外

 

定数HP回復量

注:Lv1で覚えず遺伝もできない技は除外

(かいがらのすずはどれだけ相手にダメージを与えても回復量は1)

※きのみジュースはポケモンSVで未実装

 

Lv1の定数ダメージ解説

結論は上の表の通りですのが、どうしてそうなるのか、戦略上において有効な点などを考察・解説いたします。

今回も非常にマニアックな内容になるのでご注意ください。

なお技のダメージにおいて「こだわりハチマキやこだわりメガネより、いのちのたまのほうが火力が出せる場合がある」ことを実証した、かなりマニアックな記事はこちらです。

nanahoshi1.hateblo.jp

 

状態異常

Lv1ではやけど・どく・もうどく1~2回目のダメージ量は全て1となります。

その点においては、攻撃力半減の追加効果があるやけどが優秀でしょう。

もうどくは3回目から、最大HPによって徐々に受けるダメージが増加します。

最終的に5回目のもうどくで、最大HPが11~13なら残りHPが2に、最大HPが14なら残りHPが3になります。

 

場の状態

左からHP11,12,13,14の場合

ステルスロックはHP12以上だと、弱点なら手痛いダメージを受けることになります。

逆に等倍と半減では、威力は変わりません。

まきびしは1回と3回とで大した差がなく、3ターン使う割にそれほどダメージは増えません。

 

特性

左からHP11,12,13,14の場合

特性による定数ダメージは、どれも等しく1です。

 

道具

左からHP11,12,13,14の場合

特筆すべきはゴツメによるダメージですね。

ゴツメの割合ダメージは最大HPの1/6ですから、HP12以上なら2ダメージを受けてしまいます

物理アタッカーの場持ちはHP11のほうが良いのかもしれませんね。

逆にゴツメ持ち耐久ポケモンを使う場合は、HP12以上の物理アタッカーに繰り出したいものです。

 

左からHP11,12,13,14の場合

割合ダメージは大体の分母が2・4・6の倍数ですので、やはりHP11とHP12以上とでは受けるダメージに差があります。

呪い相手のHPが12なら4ターンで倒せますが、HP13~14なら5ターン、HP11ならなんと6ターンもかかってしまいます。

技による定数ダメージを気にする場合は、HP11が最もダメージを抑えられますね。

 

ところでこの表を見て、一つ奇妙な差があることに気がつきましたか。

 

まちがいさがし

これらの技はどれもHPの1/2のダメージを受けるものですが、てっていこうせんだけなぜかHP11でも6ダメージ受けてしまいます(ついでにHP13時では7ダメージ)

これはてっていこうせんが他の技と違って小数点以下を切り上げる処理が行われているからです。

この仕様によって、Lv1でもLv50でも、てっていこうせんを打てるのは1匹につき2回まで(回復した場合を除く)となっています。

 

余談ですがわるあがきの処理もまた違っていて、こちらは小数点以下四捨五入となっています。

このように、似たような効果であっても計算処理が異なるものがいくつもあります。

計算処理の差は、Lv50では気になりませんが、Lv1だとHP実数値が低いためにたった1の差がバトルの流れを大きく左右することもあります。

 

Lv1の定数回復量解説

続いて定数回復量についても解説していきましょう。

 

状態異常・特性・場の状態

最大HPから見る割合として、最も恩恵を受けるのはHP12ポケモンですね。

なぜならHP12の場合は実に33%分のダメージを回復できるのに対し、HP14では28%、HP11では20%前後程度しか回復できないということになります。

定数ダメージ量を抑えたい場合はHP11を、回復量の恩恵を最大限受けたい場合はHP12を推奨いたします。

ただしこれはあくまで割合から見ただけの話で、純粋な技の打ち合いでは、当然HPが高ければ高いほど有利ですので、そこは誤解なきよう。

 

道具

左からHP11,12,13,14の場合

さぁ満を持してLv1ルール最強の回復ソースの登場です。

最大HPが11~14程度しかないLv1ルールにおいては、HPを必ず10回復できるオレンのみが非常に重宝されます。

このルールであえてオボンのみ混乱実を使う理由はほぼないですね。

ポケモン剣盾、BDSPまででしたらきのみジュースと呼ばれる、オレンのみをはるかに凌ぐ元祖最強アイテムがありましたが、なぜかポケモンSVでは登場せず……この事実はLv1界隈を震撼させたとかどうとか

HP11のポケモンにオレンのみをもたせると、頑丈を2回発動することができます

あのミミッキュをも超える行動保証、これは持たせずにはいられねぇぜ!

 

ちなみにかいがらのすずは、どれだけ相手にダメージを与えても回復量は1しかありません。

与えるダメージ量に応じて回復量が変わる技ですけど、相手の最大HPは11~14しかありませんからね、仕方ないですね。

 

左からHP11,12,13,14の場合

Lv1ルールの回復技は、それぞれ計算処理の違うものがあり、非常に複雑怪奇の様子を呈しています。

 

回復量別に分けるとこうなります。

 

【最大HPの1/4回復】

いのちのしずくの回復量は小数点以下四捨五入ですが、あさのひざし、こうごうせい、つきのひかりは小数点以下五捨五超入となります。

このため、HP14 / 4 =3.5 となる計算処理が、いのちのしずくだと四捨五入によって回復量が4に、悪天候時(あめ、すなあらし、ゆき、きり等)の回復技は五捨五超入によって回復量が3になってしまいます。

 

※五捨五超入とは:0.5以下を切り捨て、0.5を超えるなら切り上げる

 

【最大HPの1/2回復】

それぞれ小数点以下を切り上げるもの、切り捨てるもの、四捨五入等するものがありますが、どれがどうなっているのか、その全ての仕組みを覚える必要まではありません。

一応説明させていただくと、天候で回復量が変わるあさのひざし等やすなあつめは五捨五超入の処理となっています。

また条件によって攻撃か回復かが変わるかふんだんご、ひんしのポケモンを復活させる死者蘇生さいきのいのり(とLv1ルールでは使えないみかづきのまい)は、技を使う以外にも色々な要因で処理が発生するせいか切り捨て処理となっています。

 

Lv1ルールにおいては回復量1の差も誤差とは言い切れませんので、回復技を持つポケモンを使いたい場合は一考の余地がありそうです。

この結果だけ見るとスナバァだけ可哀想だな……?

 

【最大HPの2/3回復】

最大HPの2/3量を回復できるのは、天候によって回復量が変化するこれらの技だけです。

小数点以下は五捨五超入される処理となっております。

 

【最大HPの3/4回復】

いやしのはどう+メガランチャーは、Lv1ルールの回復技において最もややこしい処理がなされます。

いやしのはどうは最大HPの1/2量で小数点以下切り上げとなりますが、ここに技の威力を1.3倍にする特性メガランチャーが絡むことで、小数点以下を五捨五超入する処理に変更されます。

とはいえ数値だけ見れば、2/3回復するものよりそれぞれ1ずつ上昇しているだけなので、見かけ上は複雑ではありません。

 

ただし、記事を書いている途中で気づきましたが、Lv1ルールでこの現象を見れることはめったにないかもしれません。

なぜならブロスターと違い、進化前のウデッポウはいやしのはどうを覚えないからですね……

ダブルバトルスキルスワップなどすれば実現するかもしれません。

 

【ねがいごと】

ねがいごとは「使用者の最大HPの半分」なので、使用者側のHPに左右される技ですから、回復を受ける側の最大HP量は特に関係ありませんね。

HP12と13とでねがいごとの回復量に差はありませんが、HP11のポケモンが使うとやや残念なことになります。

 

HP量に応じて威力が変わる技

じたばた、きしかいせい

Lv1ルールにおける、最大HP11~14間で処理される定数ダメージ量や回復量については、ご理解いただけましたか。

さて、今回も前置きが長くなりましたが、それでは本番の「なぜ、じたばたきしかいせいはLv1ルールで威力200を出せないのか」について解説します。

まずはこの表を御覧ください。

じたばた・きしかいせいの威力

こちらはじたばたきしかいせいの威力を示したものです。

最大HPと残りHPの状態から、このような威力が導き出されます。

 

例えば最大HP12のポケモンの、残りHPが1だとすると、その割合は1/12、つまりおよそ8.3%という結果になります。

そして、じたばたやきしかいせいが最大威力200を出すためには、上の表だとHPの割合が1/24未満である必要があるとのことです。

パーセンテージにするとおよそ4%ということになります。

1/24未満で威力200になるということは、言い換えれば最大HPが25以上ないと威力200を出せないということになります。

 

つまりHP実数値が11~14程度しかないLv1ルールにおいては、威力200を出すためのHP割合に到達することができず、絶対に威力200のじたばたやきしかいせいを出すことができないということが分かりました。

 

ふんか、しおふき、ドラゴンエナジー

ではHPが高ければ高いほど威力が上がるふんかしおふき等はどうでしょうか。

こちらは上記のような複雑な計算処理はなく、純粋に

 

威力=150 × 残りHP ÷ 最大HP (小数点以下切り捨て)

 

となります。

 

つまりHP12のポケモンのHPが最大なら 150 × 12 ÷ 12 で必ず威力150を叩き出すことができます。

 

こちらはじたばた等と違い、最低威力は1となります。

ですがHP実数値の低いLv1では、たとえ最大HP14のポケモンだったとしても、最低威力は10止まりです。これもHP割合の関係ですね。

威力が1になることは絶対にないので、その点は優遇……?? とは言えませんけどね。

 

まとめ

Lv1ルールでのダメージ感覚やHP管理は、Lv50とは違った視点が求められます。

威力200のヨガパワーアサナンで無双しようとしたそこのあなた、残念でしたね!

計算したらほとんどのLv1ポケモンを確1で倒せるらしいですが、実現することはなさそうです……

 

……ええ、白状しましょう。何を隠そう、実は起死回生アサナンを使いたかったのはこのぼく!

 

実践で何度試してもダメ計通りにならず、仕様を調べたら事実を知り、衝撃を受けたのです。

 

敗北者は……ぼくだったのか……っ!!

 

※威力150でも十分強いですので安心してください