みなさま、ごきげんよう。
ポケモンSVでLv1同士のポケモンを戦わせる試み、通称#レベル1対戦の普及を目論んでいるナナホシです。
Lv1ルール、楽しんでおられるでしょうか。
この記事は、10/20(日)に開催された、いろはさん主催のLv1大会「レベルワングランプリ(略称:Lv1GP)」の結果および構築の解説記事となります。
大会名決めて、ID発行したので再告知!
— いろは (@ir_poke) 2024年10月12日
🎊仲間大会🎊
『レベルワングランプリ』
🗓️日程
10月20日(日) 21:00〜24:00
🤝ルール(詳しくは画像参照)
・Lv.1のポケモンのみ参加可能
・過去作産あり
・ポケモンGO産なし
特殊ルール好きな方、ぜひ参加してください!!#Lv1GP で盛り上げてください📮 pic.twitter.com/6anuyvjZgI
それではどうぞ!
はじめに
まずこの記事はどういう人が書いているのかを説明させてください。
- 剣盾からもっぱらLv1ルール大会の主催をしています
- Lv1ルールを多くの人に知ってもらいたいため、解説記事や解説動画を出すなどLv1ルールの布教活動をしています
- 本大会Lv1GPでは、最高レート1602、最終レート1543という結果でした(1600到達時は13勝3敗→その後4連敗で着地)
布教活動はしてるけど、どうやらそんなに強くはなさそうですね……(´・ω・`)
最終戦績は振るいませんでしたが、本大会は300人近い283名という参加者となり、私の知るLv1ルール大会では過去最多か2番目ぐらいの多さではないでしょうか。
さすが今日ポケのいろはさん、ネームバリューにただただ驚かされるばかりです。
構築意図
素早さを制する者はLv1ルールを制する
を信条に構築を作りました。
当ブログでは何度も解説していますが、Lv1ルールでは同速勝負が非常に多いです。
ポケモンというのはただでさえ急所や一撃必殺技、眠りや麻痺といった運要素が絡むゲームなのです。
そこに、更に同速勝負という運ゲーを許してしまえば、勝てる対戦も勝てません。
オオニューラのフェイタルクローでどれだけ状態異常をひかれようが、スキルリンク+王者の印でどれだけ怯ませられようが、素早さで上を取って確1の技で殴ればそれで終わりです。
Lv1ルールは非常に複雑な環境かと思われがちですが、勝ちにこだわる姿勢としてはむしろLv50のランクバトルよりシンプルな心構えが求められると思っています。
さて、Lv1ルールで使用されるポケモンのステータス実数値は、ほとんどが6~8となります。
執筆時点のポケモンSV環境で、努力値を振っても素早さ9以上を持つポケモンはいません。
努力値ありだと環境の約7割が素早さ7、約2割が素早さ6、約1割が素早さ8です。
素早さ5や4は、あえて努力値を振らないか、性格補正で意図的に下げる場合に実現します。
私はここに着目しました。
どんな場面でも、どのようなポケモンが相手でも、上から動いて倒したい。
これをLv1環境で満たす場合、どういった構築が求められるか。
素早さをコントロールする技はいくつかあります。岩石封じに凍える風、高速スピンや草分け、スケイルショット、電磁波、怖い顔、葉緑素、すいすい……
そういった、対面で素早さをコントロールできる技はいくつもありますが、私としては毎ターン安定して上を取りたい都合上、永続的に素早さをコントロールできる手段が欲しいと感じました。
その手段を叶える方法は2つあります。
私はその2つを両採用し、相手に合わせて柔軟に戦えるハイブリッドな素早さコントロールを軸にしました。
その手段とは……!?
PT紹介
今回このようなプレイスタイルで潜っておりました!
ちなみに今回PTのニックネームは、漫画ONE PIECEに登場するドフラミンゴファミリーの幹部たちから拝借しました。
個体解説
シズクモ NN:ドフラミンゴ
テラスタル:水
持ち物:進化の輝石
技:波乗り、凍える風、吸血、ねばねばネット
特性:すいほう
ステータス:H12-A6-B6-C6-D7-S6
【役割】
【解説① コータス絶対に倒すマン】
Lv1ルールによる天候の影響はLv50よりもすさまじく、特に半減タイプに絶大な効果を発揮します。
例えばA8の適応力イダイトウがB8のコータスにウェーブタックルを打つ場合、晴れていなければ20ダメージを与え確1で倒せます。
しかし晴れ状態で打つウェーブタックルは、なんと8ダメージまで威力が落ちてしまいます。
また、同じ状況で打つアクアジェットは晴れていなければ8ダメージを与えることができますが……
これが晴れ状態になると、なんと1ダメージまで威力が落ちてしまうのです! 適応力もあるのに……!?
本来であれば天候による半減率は「0.5倍」となっております。
20ダメージの0.5倍は10ダメージになるはずですが……?
レベル1という環境ではダメージ計算処理がとても複雑になり、技の威力によっては火力アップアイテムを持たせようが、適応力などの特性で底上げされようが、8ダメージが1ダメージになってしまう場面があるのです!!! これがLv1ルールの奥深さ!!!
今回のLv1GPという大会では、テクニシャン+水流連打+水テラスというドーブルが非常に多かったですが、これだけ火力マシマシで確定急所というおまけがつく状況でさえ、晴れ状態なら1ダメージ×3回でたったの3ダメージしか与えられません。
それほどまでに、天候によるダメージ半減効果は強いのです。
一方、シズクモ族だけが持つ固有特性『すいほう』は、ゲーム内テキストには載っていない隠し効果があります。
それは『みずタイプの技の威力が2倍になる』というもの。
C6のポケモンが、タイプ一致で威力90の技『なみのり』を打つ場合、D7のコータスには12ダメージ入ります。
これが晴れ状態になると2ダメージまで威力が落ちてしまいます。下がり方がえげつないですよね……。
ですが『すいほう』を持つC6シズクモが晴れ状態でコータスに『なみのり』を打つと、なんと8ダメージを与えることができます。
12ダメージが「0.5倍」で2ダメージになる世界。
それを「2倍」すると、8ダメージになる世界。
そんなわけ分からんダメージ処理がなされる環境が、このLv1ルールです。
前置きが長くなりました。ここで本題です。
なんと、水テラス状態のシズクモが打つ『なみのり』は、晴れ状態のコータスに12ダメージを与えることができるのです!!!
更に!!!
『すいほう』のもう一つの隠し効果である『ほのおタイプの技を受けた時、ダメージが半減する』という効果がLv1では非常に強力で……
晴れ+炎テラス状態で打つ威力150の『ふんか』を、進化の輝石+水テラス状態のシズクモが受ければ、たったの3ダメージに抑えることができるのです!!!
私はここに、対コータスの最強兵器としての役割を見出しました。
大会中、シズクモ対コータスの場面になった全試合で、コータスに勝っております。
最強過ぎて脳汁どぱどぱです、是非使ってほしいです。
※その後出てくるドレディアに勝てるとは言っておりません。
【解説② 素早さコントロール】
シズクモのもう一つの強みは『ねばねばネット』を打てることです。
この技は、ステルスロックのように場に設置される技で、浮いているポケモン以外に対し素早さランクを1段階下げる効果を持っています。
Lv1ルールで『ランクを1段階下げる』というと……
- ステータス実数値6→4
- ステータス実数値7→4
- ステータス実数値8→5
となり、スカーフや葉緑素・すいすい等の補正がなければ1回のねばねばネットで全ポケモンに先制を取ることができます。
従って、素早さに補正が乗る特性を持たないPTは、ネットを撒くだけで素早さの制圧が完了することになります。
しかも進化の輝石を持っているため、生半可な攻撃では倒せません。確実に仕事をします。
これがシズクモの強みです。
タイムライン上でも、いろんな方から受ける相談でも、シズクモの話が全く挙がらなかったのにビビりました。使用率もめちゃくちゃ低かったです。
ピカチュウ NN:ヴェルゴ
テラスタル:悪
持ち物:電気玉
技:ボルテッカー、叩き落とす、瓦割り、電光石火
特性:静電気
ステータス:H12-A14-B6-C12-D6-S6
【役割】
- Sコントロール後のスイーパー
【解説】
電気玉のおかげでLv1とは思えない高火力を出せるのは、もはや説明不要なぐらいです。
悪タイプの理由としては、
- 環境に多いイエッサン軸への対抗
- 悪戯心の無効化
となります。
見ていただければわかる通り、このPTには悪タイプも鋼タイプもおりません。
他の人には「ブリジュラスが強いよぉ」とか「悪タイプや鋼タイプは絶対に入れた方がいい」と言っておきながら、肝心の布教者は一切入れてないという悪魔の所業。
違うんです、この人『他人と同じポケモンを使って勝ちたくない』『オリジナリティを出して勝ち上がりたい』とか言って奇行に走る、とてもイタくて厄介な逆張りオタクなんです……許してあげてください……。
そんなんだからいつまでたっても優勝できないんだよぉ!!!!!!!
ちなみに素早さは性格補正であえてS6に落としています。これは、
という理由で落としています。特にトリルと相性が良いのでめちゃくちゃ勝ちを拾えました。
S6ピカチュウなんて誰も予想できないと思うので、残り1対3の場面でピカチュウが3タテ逆転ホームランをぶっ放した時はニヤニヤが止まりませんでした。
ミミッキュ NN:トレーボル
テラスタル:鋼
持ち物:メンタルハーブ
技:トリックルーム、影打ち、鬼火、呪い
特性:化けの皮
ステータス:H13-A7-B7-C6-D8-S6
【役割】
- ねばねばネットが撒けない場合のトリル軸
【解説】
ねばねばネットの弱点は次の2つ。
- 飛行タイプや浮遊タイプには効果がない
- 葉緑素やすいすい等でSを2倍にされると効果が薄い
というわけで、私は上記のどちらかを満たすポケモンが2匹以上いたらねばねばネットは出せねぇなと考えていました。
そこで素早さをコントロールするもう一つの技、トリックルームがとても役に立ちます。
ミミッキュ自身も性格補正でSを落とすことで、S7以上の相手に上を取ることができます。
自主退場技の呪い、一矢報いるための影打ち、後続のポケモンをサポートするための鬼火、としました。
ミミッキュ自身が殴っても良いのですが、ミミッキュでターンを稼ぐと後続に控えているS6ピカチュウが完全に腐ります。
対面性能は圧倒的にピカチュウのほうが高いため、ミミッキュにはさっさと退場してもらって悪テラス叩き落とすで無双してもらいましょう。
相手が連続技持ちの場合、化けの皮を貫通して倒される恐れがあるため、つっぱり以外の全ての連続技に対応できる鋼テラスを採用しました。
ただし鋼テラスを使ってしまうと「呪い」が「鈍い」になり自主退場できなくなるため、くれぐれもプレイングミスには気を付けたいものです(2敗)。
パルシェン NN:ディアマンテ
テラスタル:地面
持ち物:こだわりスカーフ
技:氷柱針、ロックブラスト、プイドロポンハ、テラバースト(地)
特性:スキルリンク
ステータス:H12-A7-B9-C7-D6-S7
【役割】
- ブリジュラス絶対に?倒すマン
- 初手で場をかき乱す要因
【解説】
初手に繰り出されるパワフルハーブ+エレクトロビームのブリジュラスを絶対に許しません。
結構多かったんですよね、パワフルハーブ採用で初手に出てくるブリジュラス。めちゃくちゃ刺さりました。
はじめの10戦ぐらいはほとんどイージーウィンを取ることができました。
パルシェンはドリルライナーという威力80の地面技を覚えるのですが、これではB8のブリジュラスをワンパンすることができません。
テラバーストは、AとCが同じ値なら特殊技として扱われるため、D7のブリジュラスにはテラバーストでならワンパンできます。
頑丈持ちであっても次のターン倒せますし、パルシェンはS7なのでワンチャン相手に「同速勝負に負けたか?」と思わせて相手のプレイングを惑わさせます。
また、初手に出すパルシェンはタスキ+からやぶを想定されることが多く、初手スカーフトリックをされる場面もありました。
そのイエッサンなどを氷柱針でワンパンするのも爽快です。
他にも相手のタスキアタッカー、S8のチラチーノなどにはめっぽう強く出ることができ、初手で場をかき乱す役目を十分に果たしてくれました。
コータス NN:ピーカ
テラスタル:ドラゴン
持ち物:オレンのみ
技:噴火、ソーラービーム、大地の力、殻を破る
特性:ひでり
ステータス:H13-A7-B8-C7-D7-S5
【役割】
- ラストのスイーパーその2
【解説】
技構成や持ち物はLv1ルールでよく見るオーソドックスなコータスだと思っています。
ドラゴンテラスにした理由は忘れましたが、使う場面はなかったと思います。まじで忘れました。草や地面のほうがマシだと思います。
S5というのが優秀で、トリル下なら絶対に先制が取れます。
それだけでなく、万が一トリルが切れそうになっても、切れる前のターンに殻を破ればトリル解除後はS10の高速アタッカーとして起用できます。
相手がトリル枯らしのために変な行動をすれば儲けもので、トリル下でもトリル解除後でも想定通りの活躍を見せてくれました。
エーフィ NN:モネ ※♂
テラスタル:鋼
持ち物:ゴツゴツメット
技:サイコノイズ、ドレインキッス、電磁波、瞑想
特性:マジックミラー
ステータス:H13-A5-B6-C8-D7-S8
【役割】
- 悪戯心もちへのけん制
- 対ねずみざんドーブル
【解説】
まさかの選出率ZERO
何しに来たんやこいつ……!
というか相手の構築に「エーフィ出したい」って思える場面がなかったんですよね。
悪戯心やねずみざんを対策するなら、身代わりヤミラミ入れた方が良かった。マジで。
人にはヤミラミ強いよってアドバイスしておきながらお前は何やってんだ。
基本選出:トリックルーム軸
パルシェンの初手スカーフで、対面に最も有利な技を打ちます。
例えばキュウコンならロックブラスト、ブリジュラスなら地面テラバースト、なんか硬そうな地面タイプや浮いてる鋼タイプにはハイドロポンプを打ちます。
パルシェンが相手を1対倒せば、あとはパルシェンが倒れるまでひたすら殴ります。
あとはトリルが残っている間にピカチュウが全てなんとかしてくれます。
裏選出:ねばねばネット軸
シズクモは、波乗りが通せたら波乗りを、S8のアタッカーには凍える風を、余裕ある対面ならねばねばネットを打ちます。
イエッサンのワイドフォースはたとえエスパーテラスを切られようが、命の珠を持ってい要が、最高乱数以外は耐えます。強気に凍える風→吸血でHPを温存して倒すことができます。
ネットを撒ければピカチュウとパルシェンは多くの相手に先制することができます。
先ほど「S2倍特性持ちには出さない」みたいな話をしましたが、一応ネットを撒けていれば葉緑素持ちにもスカーフパルシェンでなんとかできることもあります。
戦績
〇〇×〇×〇〇×〇〇〇〇〇〇〇〇××××(13勝7敗)
最初は自分自身がこのPTをうまく扱えてなかったです。
ですが徐々にコツをつかみ、途中は怒涛の8連勝で最高レート1602までたたき出しました。スクショはありません。
最初にあたった方々のレートが皆さん1400台だったため、思うようにレートが伸びませんでしたね。
また、最後の4戦は惜しい展開ばかり続きました。
なるべく運に頼らない技構成や戦術を用いたので、運負けという展開はほとんどありません。だからこそ、裏を返せばほとんどの敗因が私のプレイングミスや読み負けでしかなかったという事実が悔やまれます。
最後の1戦は急所を引いて負けましたが、急所じゃなければ勝ってたかと言われると怪しいです。
結果、最終レート1543というなんとも言えない中途半端な位置につき、283人中67位というところで着地しました。
ですが反省と言う反省は特にありません。やりたいことはできたし、途中までは優勝とまではいかなくとも1桁台の順位は到達できるポテンシャルがあると感じていました。
強いて言えば、エーフィをヤミラミかミカルゲに変えるべきでしたね。
誰かこの構築を開拓してくれませんか、私が厄介な逆張りオタク精神を出さなければ絶対に強いはずなんです。
私の好きなLv1ルールで20戦フルに戦い抜けたことは本当に良かったです。
みなさまとても面白い構築ばかりで、とても楽しかった!
おわりに
今回は有名配信者のいろはさん主催ということもあり、Lv1ルールというマイナーなお遊びに300人弱の方々が遊んでくれたことは、Lv1ルール布教者としてとても喜ばしいです。
私からのコメントは、このポストに尽きます。
この1週間で実に16人もの #Lv1GP 構築相談に乗りましたが、そのうちのお一人が好成績を残されて大変嬉しいです🥳
— ナナホシ@Lv1ルール布教者 (@nanahoshiSKY) 2024年10月21日
Lv1ルール布教者として冥利に尽きます!
やはり私は自分の順位よりも、この土俵で楽しく対戦してくれる皆様を見守るほうが性に合っているようです✨
感動をありがとうございます🫶 https://t.co/ZpesYW4lUN
関わってくださった全ての方に、感謝申し上げます。
これを機にLv1ルールのことを知ってもらい、一人でも多くの方がLv1ルールで遊んでもらえたら、布教者としてこれほどうれしいことはありません。
これほどまでの大規模な大会に、主催者としてではなく挑戦者としてLv1ルールに参加してみたわけですが、そこで分かったことがあります。
私は主催者でも挑戦者であっても、皆さんとLv1ルールで遊べること自体が楽しく、私にとって順位というのはあとからついてくるただの符号に過ぎませんでした。
私に相談してくださった方が上位の成績を収められるのは、私が優勝することよりも嬉しいです。
私はあまりLv50で戦うことが少ないため、皆様と一緒に対戦できる機会はそれほど多くないかもしれません。
またどこかのLv1大会でお会いしましょう!